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2016年4月13日 (水)

奇跡の急行型電車も!七尾線近郊型電車。

北陸新幹線開業後、一般的には「国鉄急行型電車」は絶滅したと思われていた。

しかし、何の運命のいたずらか、413系近郊型電車の七尾線投入に伴い、この系列と同じ扱いを受けてきた急行型457系のクハ455が2両、413系とともに七尾線に転属、絶滅したはずの急行型が奇跡的に生き残るという事態になっている。
今回はそのクハ455と、今現在の同僚ともいえる413系、そして一部が413系により置き換えられたといってもまだまだ健在の415系800番台の現状と過去を見てみたいと思う。

まず、七尾線といえば交流電化の北陸本線に接続しながら、直流で電化された路線であり、それゆえ、交直両用電車が必要になったわけだが、当時、全国からかき集めて運行された急行「きのくに」格上げによる増発特急「くろしお」へ転用→「くろしお」381系統一、福知山線電化用に再転用→特急「北近畿」運用となった485系の交流機器類を撤去、183系化したその機器を再利用、福知山線に走っていた初期113系を中心としたグループに交流機器を搭載、七尾線用415系と相成った次第。

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写真が2010年の七尾線415系800番台。

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この系列・番台区分の大半の車両が福知山線電化当初に各地からかき集めた113系初期型で、800番台を名乗っていた。

写真が福知山線登場当時の様子。

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この初期カラーリングは悪くはなかったと思うがすぐに変更されてしまった。

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つい先日訪問した、桜の咲く横山駅での415系800番台。

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車内、座席配置は113系とは大きく変わった。

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座席の様子。
シートピッチが大幅に拡大され、座席もよくなった。

しかし、これでは座席定員の減少が著しく、JR西日本ではこれ以降の近郊型リニューアルでは転換クロスが導入された。
転換クロスだと扉間に5列が確保され、七尾線の様式よりは座席定員の増加が図れる。

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こちらも桜咲く宝達駅での様子。

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夕刻の中津幡駅での415系800番台。
通勤時間帯には3連を二組6連でも走り、旺盛な需要にこたえる。

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さて、富山にいた413系は5編成が「あいの風とやま鉄道」に移管、残り6編成が七尾線へ転属してきた。
写真が「あいの風とやま鉄道」富山駅高架ホームに入線した413系。

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413系は国鉄がその末期にせめて車体だけでも新しい時代の近郊電車にしたいと、従来の急行型電車の古い車両を車体乗せ換えで登場させた車両だ。
国鉄時代の6連で走る様子。

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倶利伽羅に停車中の様子。

しかし、国鉄、その後のJR西日本の財政事情から、せっかくの更新系列も11編成を作ったところで終わってしまい、それは今までのこの系列のすべてになってしまった。

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七尾線では順次茜色と言われる地域一色塗装への変更が進んでいて、この色合い、この系列の電車にはとてもよく似合うように思うのだ。
桜咲く横山駅、跨線橋から413系を俯瞰・・屋根上のAU13クーラーがこの電車が元々は急行型であることを示している。

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横山駅で上下列車が並ぶ様子。

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北陸地域色、青色の編成もまだ一本、残っていた。

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413系電車の車内。

気動車のキハ47に似ているが、電車は気動車より車体長が1メートル短いので、ドア間のボックスシートは一組少なくなっている。
ドア横の風防がこの電車が寒冷地を走ることを示している。

クロスシートは471系などの座席をひじ掛けを撤去するなど改造したもの、ロングシートはこの電車登場直前の廃車発生品だが座席枠を近郊型の寸法にして取り付けている。

11編成すべてが松任工場による自作で、短期間によくもこれだけの品質のものを大量製造したものと、当時、国鉄工場にいた僕は思ったものだ。

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さて、こちら先だっての旅で訪れた七尾駅での413系の様子。この編成は2編成だけクハ455をTcに連結している編成だ。
クモハ413-4。

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そのクハ455-701、ホーム側から。
完全に過去のものになったはずの国鉄急行型電車がどっこい、しぶとく生きてくれたわけだ。

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編成全景。
急行型クハにあるはずの前位側戸袋窓がないし、写真反対側の運転台から数えて最初の窓は固定化されている。
これは、この電車がサハ455からの改造車だからだ。

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前頭部をサイドから。

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413系中間車、モハ412-4との連結部。

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車体中央部、車番とその付近。

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車内の様子。

急行型の特徴である出入り大仕切りは撤去され、ロングシートが延長、クロスシートの数が413系に揃えられている。

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クロスシート部分。
数が減らされても、やはりこの雰囲気は急行型独特のものだ。
荷棚や天井のAU13吹き出し口も国鉄急行型ゆえ。

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その座席、窓側のひじ掛けが急行型であったことを象徴する。
薄茶色の壁面は昭和40年代前半までの国鉄優等車両の証だ。
特急・新幹線もこの壁面だった。なお、座席間のテーブルは撤去されている。灰皿のビス跡が見当たらないから、禁煙化後に化粧板の張替が行われたのだろうが、化粧板の色合いを替えなかった工場の担当者に拍手。

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洗面所が残っていた。

普通列車用の車両としては全国唯一ではないだろうか。

つまり、特急や団体、波動用途以外の車両でこれがあるのはクハ455の残存2両のみということになる。

古き良き列車旅の余韻を今に残す車両でもあるわけだ。

昨年までの北陸線急行型電車は近郊型に適応した改造をいろいろな形で受けていた。

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これは出入り台仕切り撤去、半自動ドアに改造された更新車の車内。
車内化粧板も交換されている。

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こちらは車端部ロングシート化だけが施工された車内。
その部分以外は、ほとんど原形のままだ。

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クハ455を連結した編成が中津幡駅に入るところ。

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実はこのクハ455をつないだ413系編成を僕はこれまでもたびたび目撃している。そのころは急行型475・457系を追うのに必死で、413系の仲間になったクハ455には興味がわかなかったというのが正直なところ。
それでも撮影した写真から・・昨年冬の魚津駅。

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こちらは2011年の大聖寺駅にて。
今にして思えば、この時、もう少し編成状況が分かるように撮影していれば・・

このときはまさか、この車両が国鉄急行型最後の一般運用の2両になるとは思わなかった。

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それでも、編成のクハ455とモハ412の連結部は撮影していた。

ここで、少しだけ、かつての急行型の北陸路での在りし日の姿を・・

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大阪駅に停車中の急行「ゆのくに」。

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武生を発車する急行「立山」

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急行列車の運用間合いによる普通列車、倶利伽羅峠にて。

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倶利伽羅に停車中の普通列車、「タウントレイン」の看板を付けている。

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倶利伽羅峠にて下り普通列車。

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たぶん、その列車の後追い。

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奇跡的に、わずかに2両が生き残った国鉄急行型の末裔・・

どうか、一日でも長く生きてくれよと・・祈りながら、僕はこの電車に再会を期すのだ。

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コメント

151系、153系と登場した後に、特急用を181系と改めた当時は、急行型を50~70番台形式にとの思惑が伺えました。
チョッパ、VVVFと制御方式が進歩して形式が200台に移る頃には、最早特急は長距離列車に留まらず短距離急行すらも併呑して、残った急行も特急型の代用で賄われて結局急行型は現れずに終わりましたね。
思い返せば、14系客車は登場時から銀河51に充てられましたから、その兆候は昭和40年代後半にも現れていた事にもなります。
40年余をかけての急行消滅と冷静に考えれば、急行が準急をも呑み込んで全盛を極めた時代を知る者にとっては急行の凋落が刹那の時間に思えても、やはり大きな時の流れの末であったと悟るべきなのでしょうね。

こんにちは。
大変興味深く拝見しました。
幾度か北陸本線を旅した中で、私も急行形電車に目が(カメラが)向き、413系にはあまり関心がありませんでした。北陸新幹線の開業を機に、急行形電車が全廃された、とだけ思っていましたが、2両、今も活躍し続けているとは新鮮な感覚です。
一方で、415系800番代も、とても興味を惹かれる車両です。東日本では、本来の415系が今春のダイヤ改正で全車運用から外されました。ステンレス車体の後期車です。また、古い近郊形車両が残っていた新潟や広島では新車の投入が続いていますので、415系800番代が最後まで残る、近郊形電車の初期車になるのではないでしょうか。
どちらの車両も、乗って旅したい車両です。モーターの音を聞きながら、流れる車窓を眺める至福の時間を過ごしたいものです。
車両は変わりますが、高崎エリアで活躍している107系、こちらも走行機器の一部だけは急行形電車からの流用ですが、走る車内に響くモーターの音は、どこか懐かしく、いいものだと感じました。
お写真、楽しませて頂きました。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記

あづまもぐらさん>

おっしゃる通りですね。
国鉄としては急行という列車をなくす方向へ向かっていた。
その中でのキハ66や117系、185系の登場であったわけで、急行の絶滅とともに国鉄の輸送改革は完成したように思います。
同じように、夜行列車についても・・

風旅記さん>

今になって七尾線というのは、わたし自身、迂闊でした。
もっと早くに見る機会が何度もあったのに、電化後、末端区間の廃止後はとんとご無沙汰してしまっていて、今頃、この路線の魅力に気が付いたような次第です。

107系、先だって実見しました。
足回りを見るとなるほど急行用、乗ってみたいと思いながらもその時は原色115にばかり目が行っておりました。。

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