フォトアルバム

プロフィール

フォトアルバム

こう@電車おやじ

小説サイトSTORY http://e-maiko.blog.ocn.ne.jp/story/ 鉄道掲示板 http://6551.teacup.com/kouzou/bbs プロhttp://pr.cgiboy.com/02653710/フィール

« 221系の衝撃 | メイン | あのころの南海電車 »

2008年12月 4日 (木)

座席の話

前にも書いたけれども(http://kokutetu.blog.eonet.jp/117/2005/01/post-b747.html)今回は座席そのものについて国私鉄JR・・合わせて考えてみたいと思う。
特に、一般的な車両・・通勤電車などについて考えたいと思う。
画像はまずは、国鉄最初の近郊型転換クロス、キハ66の車内風景。

00230031kiha66zaseki
これは登場時のもの。

僕は座席がクロスシートでなければならないなどとは考えていない。
また、混雑する列車がロングシートでも、それはごく普通のことであるとも思っている。
ロングシートがいけないとか、そんなことも考えたこともない。
実際、阪急や阪神、それにJR西日本の321系などのロングシートは好きだ。
もちろん、JR西日本221系や山陽電鉄、京阪電鉄の転換式シートも好きだ。

ただ、名鉄のようにかつての車両政策が好きだったところでは、現状に対して残念に思っていることもあるわけで、これはあくまでも個人的な感情だ。
(利用客がそれを支持し、名鉄の乗客が増えれば、それは現状の政策がよかったということになるのだろうし、乗客が平行他路線を選択するのであればそれは間違いの一因だったということになるのだろう・・最もダイヤや運賃の問題のほうが実は大きいのだろうけれど)

クロスシートであっても113系などの国鉄の一般的な近郊電車などでは、むしろ、ロングシートのほうがゆったりと座れるということもあるだろうし、地方線区などでも播但線のように車内の治安対策として止むなくロングシートにしてしまった例も存在する。
(わざわざクロスシートのキハ58をロングシートに改造する手間をかけたくらいで、当時のJRは本当はそんな手間はかけたくなかっただろうと思う)

現在の形の転換式クロスシートが、日本で始めて登場したのは昭和一桁時代の京阪1550型からだったと記憶している。
これ以後、関西私鉄は争うように転換式クロスシート・・いわゆるロマンスシートを作るようになっていく。
ただ、転換式の座席自体はこれよりずっと以前から存在し、国鉄の3等車などで粗末な木製の転換式ベンチのようなものが使われていた。

Akamaturinsakuyogisya 明治34年、画家赤松燐作が描いた「夜汽車」には3等車内の様子が活写されていて、これには当時の転換式の座席の様子が実によく表現されていると思う。
参考までにこの作品を美術館のホームページから引用する。

日本の鉄道の創業期の車両は英国式にコンパートメントごとに扉がついたものだったが、やがて、出入り口を車体の端に設け、車内には通路が作られるようになっていく。

00050014kayazaseki 創業当時の客車の面影を加悦鉄道に保存されている客車でごらんいただこう。
創業当時の車両の面影を残したクロスシートだが、もちろん、下等の車両のものは木製のベンチ式で、長距離列車が増えることによって改善されたのが明治後期のベンチ式の転換式クロスシートだったのだろうか・・
その粗末な座席の見本のようになっていた転換式クロスシート・・実は明治、大正時代には上等車(1等や2等)はロングシートであることが多く、それも深い、ゆったりとしたソファのようなものだったようだ。
当時としては広々とした座席のほうが寛ぐ感じになれたのかもしれない。
拙ホームページからも展望車のサイトでよく知られているKOさん撮影の戦前のマロネフの昼間の状態をごらんいただくことにしよう。

Emaiko_110maronehu

この座席で長距離を乗車していたのだから、必ずしも、ロングシートが長距離に適していないということではないだろう。
この点では昭和初期、いったん、転換式クロスシートを採用した阪急神戸線の900系は、その増備である2両固定の920系からロングシートに変更されているが・・これも当時の阪急が「ソファ」のような深いロングシートのほうがサービスの向上になると判断してのことだったそうだ。
阪急はその後もクロスシートかロングシートかで随分悩んでいたようで、神戸線では1010系のころまで、実に試行錯誤を繰り返している。
最近でも8000系の一部に転換式クロスシートを採用したものの、最新の9000系では非常にゆったりとした、所々に肘掛のつくロングシートになっていて、これで、同じ阪急が、京都線では距離もあるし、ライバル京阪もあることで9300系はゆったりとした転換式もしくは固定式のクロスシート、神戸・宝塚線はこれまたゆったりとしたロングシートで落ち着いたように感じる。

00200037hankyu5010zaseki
9000系の車内写真は撮影できていないので、最近リニューアルされた5000系の車内写真でロングシートながらも上質な雰囲気の車内風景を見ていただきたいと思う。

クロスシートが上等な車両の座席として一般化したのは、車両のサイズが拡大し、十分な座席幅が得られるようになってからではないだろうか。
それに京阪の進取的な試みも一役買っていることだろう。

人間は本来、前に向いて進む景色を眺めたがる癖がある。
これは自分が歩いているときに常に前を見ていることから、やはり前向きのほうが安心するのだろうか。
反面、前向きの景色は刺激が強く、かつては「寝るのなら後ろ向きの座席」といわれたものだ。

そういえば、国鉄では新幹線が博多まで開業し、長距離乗客が増えるに伴い、少しでも乗客サービスにと座席をリクライニングに改良したのだけれど、ピッチが十分に取れず、そのため、3人がけ座席が回転できず、いわゆる集団離反式の設定となったとき、後ろ向きの座席に座ったときはやはり、違和感を感じたものだ。
後ろ向きの座席、もしくは長手方向に伸びる座席というのは基本的には鉄道独特のものなのかもしれない。
自家用車にしろ、船舶にしろ、航空機にしろ、基本的には座席は進行方向を向いているものだろう。

路面電車が乗客を大きく減らした要因に、路線バスに多かったクロスシートの存在を上げる人も居るほどで、人間の本能としてはやはり前向きの座席を好む傾向があるのかもしれない。
けれども、たとえば、空いている昼間に時間帯、昨今のJR西日本の321系や207系のゆったりとしたロングシートに座っているとなんともいえない開放感と寛ぎを感じるものだ。
結局はクロスシートであれ、ロングシートであれ、乗客に快適に過ごしてもらうための設計と保守がなされていれば、快適にもなるし、不愉快な乗車感にもなるのだろう。

日本の鉄道の場合、ラッシュ時の詰め込み対策として採用されたロングシートが、結局は座っている人にも立っている人にもある程度の犠牲を強いることになってしまう設計だったからロングシートの評価は分が悪いのだろうと思うが、クロスシートでも113系、401系などの初期の車両のような粗末なものはやはり好まれるはずもない。
詰め込み設計は日本が高度経済成長を成し遂げていく過程で行われたものであるし、今現在のような低成長、もしくはマイナス成長という時代になると人々は自然にゆとりを求めていくだろうし、それを鉄道事業者が実現できなければ、いずれ乗客はその鉄道から離れて行ってしまう。

寝台列車の時代錯誤のような蚕棚形のベッドが、結局は多くの乗客から敬遠されたように、近郊型や通勤型電車であっても、少しでも乗客に快適に過ごしてもらう工夫というのは今後ともますます重要になっていくだろう。

旅行を楽しむ場合、やはりゆったりとしたクロスシートは快適で好きではある。
けれども、窮屈で他人の視線が常に気になるような国鉄近郊型113系電車のようなシートなら、ちょっと深めのロングシートの方が快適に感じるだろう。

要は、通勤型や近郊型の車両ならばロングシートか、クロスシートということよりも、その設計コンセプトが乗客の目線に立ったものかどうかということのほうが大事なのではないか・・
その上で、中距離以上の乗車機会が多い車両には立席と座席の乗客区分が明確なクロスシートのほうが好ましいだろうし、短距離乗車の多い列車や、混雑することが多い通勤路線の列車には乗りやすく、気軽にどこでも座る事の出来るロングシートを基本に考えていくことが大事なのではないかとも思うのだ。

僕は昨今の関東私鉄の車両は決して嫌いではない。
というか、以前から京王や京急の車両コンセプトは非常に好きだった。
今でも、東京に出かける機会があれば必ず、用事がなくとも私鉄電車に乗りに行くほどで、関西の私鉄だけが好きなのではない。
関西でも中途半端な、かつ、乗客の目線に立っていない設計の電車は好きになれないし、関東でも個人的に好きな車両というものはたくさん存在する。

ただ、最近、どうも時間的経済的余裕が乏しく、どうしても旅行というものから遠ざかっているのは確かで、そういった意味では何とか時間を作って関東のみならず、各地の電車に乗りに行きたいな・・と感じてはいるのだが。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.eonet.jp/t/trackback/351371/17320092

座席の話を参照しているブログ:

コメント

国鉄時代の座席を一変させた、115系更新車。JRになって時代相応のものに変わってき昔ながらのシートも希少になってきています。(元の座席のままでは、電車で行くか?車で行くか?車にしようになりますわな。)
身近によく乗る存在として、山陽の直通特急では、高砂・梅田乗車で、山陽車はシートの幅は狭いが快適。
阪神車の一人分ずつ座席の窪んでいるロングシートは隣の人と肩は当たる、腰は痛くなってくると、最低の乗り心地です。8000等の仕切りの無いシートだと柔らかく楽なんですが。
あの8人掛けは、おっさん同士となり合わせは無理の設計、梅田から西宮ぐらいまでの乗車時間を想定したとしか思えません。
なんとか、ロングでも旧のシートに戻して欲しいものです。
旧の
山陽3000のロングシートは、私の知っているロングシート中最高の存在かと。
以上、最近思っていることです。

幼少期、やはりクロスシートにはアコガレがありました。間合い運用でデ2200系に乗れた時は「Lucky!」とほくそえんだものです。下って近鉄5200系が登場した際、デ2200系の再来か?と大いに期待しましたが、やはり通勤路線にはムリがあったようですネ。そんな中でも時折「準急」や「各停」運用で見かけるとあの座席の白いビニールカバーがやっぱりまぶしく映ります。

南海8000系やJR東日本で見られる形状の座席
一部の乗客の座り方に対しての答として、このような座席を生み出したとも考えられます。穿った見方かも知れませんが。従来型の座席では、どうしても足を投げ出したり、浅く座ったり、バッグの大型化と相俟って、立っている乗客の邪魔をしてしまいがちです。
それらの要因と、国交省の方針で、今回の座席が生み出されたのだと思います。
座席の間の手すりも座席を区切ることで定員着席を促しマナー改善を期待できますからいいですね。
それと南海では7000系や9000系など、車椅子スペースの無いの列車が来ると、やはり少し憂鬱な気分になりますからね。立場によっては、考えも変わるものだと、つくづく思う、今日この頃です。

 ロングシートは209系のシートで一応の完成形に達したと見ていいのではないかな、と思いました。2・3・2人ごとに区分けしたポールは7人がけを促す効果があるだけでなく、精神的に隣とくっつく感じを和らげる意味もありますし、立ってる人も急に揺れた時にはつり革より瞬時に掴み易い。両端部の仕切り板も、それまでのパイプに比べたら着席してる人、立っている人共に楽によっかかれるようになりました。これは私鉄にも瞬時に採用されるかな?と思いましたが、少しタイムラグがあったのは意外でしたね。
 それにしても、以前貴ブログで書かれておりましたが、名鉄に初めて乗った時に見たパノラマカーのロング型座席にはぶったまげました。

キッコーマン専用線さん>

そういえば、山陽の2000系などのロングシートは深くてよかったですね。
3000系も深いですが2000系に比べると、浅く感じてしまったものです。
僕は阪神のバケットタイプのロングシート・・好きですよ。

ユースケさん>
2200系を知っておられるのですね。
僕はやっとその最晩年に名古屋線で少し乗れただけでした。
あの電車はまさに名車の誉れ高い電車でしたね。

semiexpress12nさん>

確かに昨今の電車で車椅子スペースがない電車には違和感を感じることが多いですね。
神戸市営地下鉄はそのあたりは駅のつくりも含め、非常に良く出来ていて感心します。
阪急9000系のシートもデラックスでいい感じですよ。

根岸線さん>

近鉄のシリーズ21から立つときの支えの一助にと座席の仕切りが出来たような気がします。
昨今の関東の電車は座席も良く出来ていますね。
小田急3000系に乗車したとき、あまりの快適さにびっくりしました。
阪急9000系のインテリアはいろいろな意味で非常に良く出来ていると思います。

コメントを投稿